以前、オーストラリアの車事情の記事を書きましたが、車を持つなら避けて通れないのが「違反・罰金」の話です。オーストラリアには日本の違反点数制度に近い「デメリットポイント」という仕組みがあり、スピード違反の罰金もかなり高額。今回は、QLD(クイーンズランド州)のデメリットポイント制度と、私たちカップルが実際に払ってきた罰金のリアルな話をまとめます。
この記事もクイーンズランド州(QLD)在住の実体験をもとにした内容です。デメリットポイントの制度やルール、ナンバープレートの扱いは州によって違うので、他の州の人は参考程度にしてもらい、正確な情報は必ずお住まいの州の運輸局の公式サイトで確認してください。
デメリットポイント制度の仕組み
オーストラリアの運転免許には、日本の違反点数制度に近い「デメリットポイント」という加点式の制度があります。違反をするたびにポイントが加算されていき、一定数を超えると免停(免許停止)になる仕組みです。ポイントは違反した日から3年でリセットされます。
免停になるまでのポイント数と期間は、免許の種類によって異なります。
- オープンライセンス(通常の免許):3年間で12ポイント以上たまると免停の対象に。たまったポイント数によって免停期間も変わり、12〜15ポイントで3か月、16〜19ポイントで4か月、20ポイント以上で5か月
- P1・P2(プロビジョナルライセンス):1年間で4ポイント以上たまると免停の対象(基本3か月)
- L(ラーナーライセンス):1年間で4ポイント以上たまると、問答無用で3か月の免停
オープンライセンスとP1・P2の場合、免停の代わりに「1年間の優良運転期間(Good Driving Behaviour)」を選ぶこともできます。ただしこの期間中に2ポイント以上の違反をすると、元の免停期間の2倍の期間、免許が止まってしまいます(オープンライセンスなら最大8か月相当)。ラーナーライセンスにはこの選択肢自体がありません。

スピード違反の罰金とポイント
オーストラリアの違反の中で、圧倒的に多いのがスピード違反だと思います。QLDの場合、制限速度をどれだけオーバーしたかによって、罰金とポイントが段階的に上がっていきます(2026年現在の金額)。
| 超過速度 | ポイント | 罰金 |
|---|---|---|
| 1〜10km/h超過 | 1ポイント | $345 |
| 11〜20km/h超過 | 3ポイント | $518 |
| 21〜30km/h超過 | 4ポイント | $777 |
| 31〜40km/h超過 | 6ポイント | $1,295 |
| 40km/h超過〜 | 8ポイント | $1,986 |
詳細な点数表や最新の金額は、QLD州政府の公式サイトで確認できます。
「40km/hもオーバーなんてしない」と思う人もいるかもしれませんが、注意したいのがHighwayを走っていて突然小さな住宅地に入るパターンです。さっきまで100km/hで走っていた感覚のまま、制限速度が一気に60km/hまで下がるエリアに入ってしまい、そのままの速度でスピードカメラに撮られた、という友人の話も聞きました。Highwayから住宅地に入るときは、制限速度の標識を見落とさないよう気をつけてください。

40km/hオーバーで$1,986!? 日本円で20万円近いじゃん…。

しかもこの罰金、年々インフレに合わせてどんどん値上がりしてるんだよね。スピード違反は本当に割に合わないと実感してる。
駐車違反について
駐車違反は、デメリットポイントではなく罰金のみの対象になります(管轄も警察ではなく各カウンシル=地方自治体です)。私が住んでいるタウンズビルは無料の駐車スペースが多いですが、シティ(都心部)に行くと2P(2時間まで無料、またはその時間制限)のゾーンが多く、うっかり時間をオーバーすると普通に罰金が切られます。

毎回パトロールが来るわけではないので、オーバーしても何もないことも多いのですが、運が悪いとしっかりチェックされます。実際、先日15分オーバーしただけで$100の罰金を切られました。「少しくらいなら大丈夫だろう」という油断は禁物です。
その他によくある違反:無灯火・携帯電話
無灯火
私自身、無灯火(ヘッドライトをつけ忘れた状態での走行)で捕まったことがあります。当時の罰金は$130で、ポイントも1点加算されました。夕方薄暗くなってきたタイミングなど、うっかりライトをつけ忘れやすいので注意してください。
携帯電話の使用
最近は運転中の携帯電話の取り締まりもかなり厳しくなっています。手に持った状態での使用はもちろん、膝の上に置いているだけでも違反対象になることがあり、1回の違反で4ポイント、罰金は$1,295とかなり高額です。しかも1年以内に2回目の違反をすると、ポイントが倍になります。
シートベルト未着用
シートベルトの未着用も厳しく取り締まられていて、罰金は$1,251、ポイントも4ポイントとかなり重めです。しかもこれは運転手本人だけの話ではなく、同乗者がシートベルトやチャイルドシートを正しく着用していない場合も、着用していない人数分まとめて運転手に科される仕組みなので、同乗者がいるときは特に注意してください。
飲酒運転・薬物運転の検問
オーストラリアでは、RBT(Random Breath Test、ランダム飲酒検問)や薬物検査の検問が本当によく行われています。幹線道路や主要な交差点でひんぱんに検問をしているので、お酒を飲んだ日は運転しない、くらいの気持ちでいた方が無難です。
オープンライセンスの場合、血中アルコール濃度0.05未満であれば運転は可能で、目安としては「1時間にビール1杯程度」とよく言われています。ただ、個人的には少しでも飲んだら運転は控えた方がいいと思っています。ラーナー・プロビジョナル(P1・P2)ライセンスの場合は、血中アルコール濃度0.00、つまり一滴でも飲んだら運転できません。
違反した場合は、デメリットポイントだけで済む話ではなく、免許停止や罰金もかなり重くなります。血中アルコール濃度0.05〜0.09の場合、罰金は最大$2,012、免許停止は最長9か月。0.10〜0.149まで上がると、罰金は最大$2,875、免許停止は3〜12か月にもなります。
実体験:10年間で払った罰金は合計2,000ドル以上
正直に書くと、私たちカップルは、オーストラリアに来てからの約10年間で、スピード違反を中心に合計$2,000以上罰金を払っています。しかも罰金の金額自体がインフレでどんどん値上がりしているので、同じ違反でも昔より今の方が痛い出費になっています。
制限速度の感覚は日本と大きく変わらないはずなのに、気がつくとオーバーしていることがあるので、特にスピードが出やすい道やスクールゾーン付近は要注意だと実感しています。スクールゾーンは時間帯によって制限速度が40km/h以下に下がるので、うっかり通常の制限速度のまま走ってしまうと一気にオーバーしてしまいます。
まとめ
オーストラリアのデメリットポイント制度は、免許の種類によって基準が大きく違うのがポイントです。特にP・Lの人は、オープンライセンスの人よりずっと少ないポイントで免停になってしまうので注意してください。スピード違反・駐車違反どちらも、罰金は決して安くありません。「このくらいなら大丈夫」という油断が一番のリスクだと思います。
ポイント数や罰金額は改定されることがあるので、最新情報は必ずQLD州政府の公式サイトで確認してください。

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