オーストラリアは州によって運転免許の制度やナンバープレート、車の登録ルールがかなり違います。この記事は私が住んでいるクイーンズランド州(QLD)の話なので、他の州に住む予定の人は参考程度に見てもらって、実際の手続きは必ずその州の運輸局(QLDならTMR)で確認してください。
右側通行・ハンドル位置
オーストラリアで車を運転すること自体は、実はそこまで難しくありません。日本と同じ左側通行で、ハンドルも右側にあるからです。日本で外車(BMWやベンツなどの高級外車)を購入すると左ハンドル仕様になることが多いですが、オーストラリアではそうした高級車も含めて基本的に全て右ハンドルです。右側通行の国から来た人にとっては、この時点でかなりハードルが高いと思います。
一般道路は「Highway」、高速道路は「Freeway」と呼ばれています。未だに「Freeway」って呼び方、freeじゃないじゃん、といつも思ってしまいます(笑)。どちらも制限速度は80〜100km超えが普通です。
あとは日本ではあまり馴染みのないRoundabout(ラウンドアバウト、環状交差点)にも、こちらでは普通に遭遇します。右から来る車だけを意識していればいいというシンプルなルールなので、慣れれば楽ですが、最初は戸惑いました。個人的には、交差点は信号をつけるよりRoundaboutにした方がいいシステムだと思っています。進入するときに自然と減速するので、事故も起きにくい気がします。
車は「移動手段」以上の存在
車は便利な乗り物ですが、国土が広いオーストラリアでは、車の在り方が日本とは少し違ってきます。日本でも田舎に住んでいれば車は必須ですが、オーストラリアも同じで、地方では車がないと生活が成り立ちません。シドニーやメルボルンといった都市の中心部に住んでいれば公共交通機関だけでも十分ですが、大都市でもサバーブ(郊外)に行けば、やはり車があったほうが便利です。
日本と少し違うなと感じるのは、車が単なる移動手段ではないところです。家族が多いオーストラリア人は、ファミリーができるとSUVを選ぶことがほとんど。あとは荷台付きのUte(ユート)もかなりの台数を見かけます。私たちの周りも、主にSUVかUte(4人乗りタイプ)のどちらかに乗っている人が多い印象です。日本のように「移動手段だから」という理由で軽自動車を選ぶ、という発想自体がオーストラリアにはありません。そもそも軽自動車という規格が存在しないので、一番小さいクラスの車でも日本の感覚からするとひとまわり大きく感じると思います。
ちなみに4WDやUteを中心に、こちらではディーゼル車もまだ結構な台数が走っています。パワーが欲しい人にはディーゼルは魅力的な選択肢ですが、近年の燃料価格の急騰で、ディーゼル車に乗っている人たちは軒並み「燃料代がきつい」と嘆いています。車を選ぶときは、車種だけでなく燃料タイプと維持費も合わせて考えたほうがいいと思います。

中古車とボロ車文化、日本車の人気
中古車の走行距離は、10万キロ超えがほとんどです。日本の中古車市場の感覚でいると最初は驚くかもしれませんが、オーストラリアでは普通のことです。
私の肌感覚では、道を走っている車の3割くらいは常にボロ車です。恐らくその半分くらいはバックパッカーなど外国籍の人の車で、残りはオージー自身の車。老若男女問わず「走れるから大丈夫」という感覚で、窓が割れている・塗装が剥げている・傷や凹みはそのまま、という車も珍しくありません。日本人は人目が気になるからなのか、傷や凹みはすぐ直すし、洗車も欠かさない人が多い気がします。この感覚の違いは、こちらに来て一番カルチャーショックだった部分かもしれません。
ちなみに日本車はこちらでは「日本の誇り」と言ってもいいくらい人気があります。燃費の良さや壊れにくさで評価されていて、中古車市場でも人気が高い印象です。
運転免許の切り替え(QLD版)
日本の運転免許を持っている人は、ここでかなりラッキーです。QLDの場合、日本の免許証は翻訳(NAATI認定翻訳など公式に認められた翻訳)を用意すれば、実技テストなしでそのままQLDの免許に切り替えることができます。国によっては、オーストラリアでもう一度一からテストを受け直さないといけないところも多いので、日本の免許がそのまま使えるのは本当にありがたい話です。

実技テストなしで切り替えられるの!? てっきりオーストラリアでも一から免許を取り直すものだと思ってた。

そう、だから日本人は結構恵まれてるんだよね。国によってはオーストラリアで学科も実技も一から受け直さないといけなくて、結構な手間とお金がかかるみたい。

車の購入方法
車を買うときの選択肢は、大きく分けて「新車を買う」か「中古車を買う」の2つです。
新車を買う
新車はディーラーで購入するのが基本です。当然、中古車より価格は高くなりますが、保証がしっかりしている分、安心感はあります。
中古車を買う(ディーラー・個人売買)
中古車の場合は、「ディーラーから買う」か「個人売買で買う」かの2パターンに分かれます。私はFacebookのマーケットプレイスで車を探しました。車の知識は正直ほとんどありませんでしたが、特に大きな問題なく購入できています。車の知識に自信がない、個人売買が不安という人は、ディーラーで購入するという選択肢もあります。
ただ、ディーラーだから絶対に安心というわけでもありません。友人はディーラーで車を購入しましたが、購入からわずか1週間で故障してしまったことがあります。幸いワランティ(保証)の範囲内だったので修理費用はかかりませんでしたが、「ディーラー=完璧な車」というわけではない、というのは覚えておいた方がいいと思います。
支払い方法:現金一括かローンか
個人売買の場合は、現金一括払いが多い印象です。なのでまとまった現金を用意できる人向けの方法とも言えます。現金が用意できない場合は、ディーラーでローンを組んで購入するのが一般的な選択肢になります。
ただ、このローンの金利がかなり高めなのが要注意ポイントです。私の同僚は9%の利子を払っているそうですが、それでも特別高い方ではなく「普通」の金利だと聞いて驚きました。日本の車のローンの感覚でいると、金利の高さにびっくりすると思います。

ディーラーで買っても1週間で故障することあるんだ…。個人売買の方がむしろ怖いイメージだった。

中古車である以上、個人売買でもディーラーでも「絶対に壊れない」保証はどこにもないんだよね。次で説明するRWCも、実はそこまで厳しいチェックじゃないし。

名義変更とRWC(Roadworthy Certificate)
車を売買して名義(オーナー)を変更する際には、RWC(Roadworthy Certificate、走行適格証明書)が必要です。これがないと名義変更そのものができません。
ただし注意したいのは、「RWCがある=問題のない車」というわけではないということ。RWCはあくまで最低基準の整備・安全チェックをクリアしているかどうかを見るだけのもので、日本の車検のような網羅的な点検ではありません。日本の車検をイメージしていると、思っていたより簡易的な検査で驚くと思います。
また、名義変更の際にかかる費用は、車の購入価格によって変わってくるようです。購入価格が安いほど、名義変更にかかる費用も安くなる仕組みのため、ディーラーの売値が「$10,000」ではなく「$9,999」のように、きりの良い金額から少し下げた価格設定になっていることがあります。具体的にいくらを境に費用が変わるのかまでは私も把握できていませんが、価格設定にはこうした理由もあるようです。
Rego(登録)と保険
車を所有すると、Rego(Registration、車両登録)を毎年更新する必要があります。金額は車の種類などによって変わりますが、参考までに私が2026年現在支払っているRegoは、1年で$877.50です。
保険については、私はComprehensive(全部保険)ではなくThird Party(対人・対物のみの最低限の保険)にしか入っていません。保険料は1年で$300弱です。Comprehensiveにすればもちろん補償は手厚くなりますが、その分保険料も上がるので、車の年式や価値、自分がどこまでのリスクを許容できるかで選ぶのがいいと思います。
まとめ
オーストラリアでの車事情は、右側通行で運転のハードル自体は低いものの、車選びや維持にまつわる感覚は日本とかなり違います。日本の免許があれば免許切り替えで苦労しない点は数少ない「ラッキーポイント」なので、ぜひ活用してください。車の購入やRWC、Regoまわりは、知らないと戸惑うことも多いと思うので、これから車を持つ予定の人の参考になれば嬉しいです。
繰り返しになりますが、これはQLD(クイーンズランド州)での私の実体験をもとにした内容です。州によって免許の切り替え条件やRego・保険の制度は異なるので、他の州に住んでいる・移る予定の人は、必ずお住まいの州の運輸局の公式サイトで最新情報を確認してください。

コメント