もともと私たちはメルボルンに住んでいました。卒業生ビザ(485)が下りたタイミングで、次に申請する予定だったS491ビザ(地方技術ビザ)のために、地方都市への移住を決意しました。S491は「Regional(地方)エリア」に住んでいることが条件だからです(このあたりのビザの話はビザ費用の記事にまとめています)。
S491は彼の職業「ペインター」で申請すると決めていたのですが、当時ペインターが対象になっていた州はタスマニアとクイーンズランド(QLD)だけでした。タスマニアは寒い場所が苦手な私が即却下。というわけでQLDに決定です。
QLD州都のブリスベンはRegionalエリアに入らないので除外。ゴールドコーストやサンシャインコーストも、当時人気が出てきていたタイミングで、移住後にRegional指定から外れてしまうリスクを考えて見送りました。
そこで候補に挙がったのがタウンズビル。人口ランキングで見ると、タウンズビルはケアンズより人口が多く、QLD第4の都市です。彼が移住前にケアンズとタウンズビルを実際に下見して、最終的には「雰囲気」で決めました。

え、住む場所までビザで決まるの?

そう。地方ビザを狙うなら、住む場所選びからしてビザ都合なんだよね。
① 家賃
私は今、2ベッドルームのアパートメントに住んでいて、家賃は週$520。相場は週$450〜650くらいで、立地や広さ、バスルームの数(2バスルームだと高め)で変わります。
もう少し抑えたい場合はシェアハウス。個室(シングル)なら週$250〜350が相場です。バックパッカーホステルだと、単発利用は15人部屋で週$450なんてこともありますが、長期契約にすると週$300くらいまで下がることもあるようです。
逆に、North Ward(タウンズビル中心部に近いエリア)のアパートメントは週$700〜1000することも。友達4〜5人でシェアして借りている人もいます。
② 食費
自炊メインなら、1人週$100〜150くらい。工夫すればもう少し削れます。
日曜などにマーケットも開かれますが、正直それほど安くありません。むしろ割高なこともあるくらいです。メルボルンに住んでいたころは、マーケットの方がスーパーより安かったので、これは意外でした。
タウンズビルには無人のバナナ直売所がちらほらあって、そこは1kgあたり$2.5。おそらく街で一番安いバナナです。

③ 光熱費(水道・ガス・電気)
QLD州でレント(賃貸)する場合、水道代は基本的に家賃に含まれています。プール付きの家を借りていて頻繁に水を入れ替えたりしない限り、水道代を別で請求されることはまずありません。
ガスも少し特殊で、タウンズビルには都市ガスの配管が通っていません。ガスコンロがある家庭はプロパンガスを使うことになり、自分でボンベを交換するか、ガス会社と契約して交換してもらう形になります。
問題は電気代です。タウンズビルには電力会社がErgon一社のみ。選択肢がないので、年々上がる料金をそのまま受け入れるしかありません。
エアコンを使わない時期は月$200くらいですが、夏場は$500くらいまで跳ね上がります。家族が多い家庭だと$1,000超えも珍しくありません。この時期になると、SNSで「うちの電気代高すぎん?」「いや、うちの方が高いし」という謎の張り合いが毎年恒例のように始まります。

電力会社1社しかないの!?選べないじゃん。

そうなんだよね。だから値上げされても、ただ受け入れるしかないんだよ。
④ 車関連費用
地方都市では車がほぼ必須です。私の場合の内訳はこんな感じです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| ガソリン代(通勤+日常の買い物・外食) | 月$100くらい |
| Rego(車の登録更新) | 年$840 |
| 車のサービス(2016年式の中古車、年2回) | 1回$600〜1,000 |
| タイヤ交換(不定期) | $500〜1,500 |
| バッテリー交換(不定期) | $300〜500 |
| 車の修理(不具合発生時) | $1,000〜3,000 |
| 保険(Third Party のみ) | 年$350 |
| 運転免許更新(1〜5年で選択可・今年更新) | $150 |
保険は人によってかなり差があります。私はThird Party(対物・対人賠償のみ)だけなので年$350ですが、フルカバーにしたり年齢が若かったりすると保険料は上がり、月$500払っている人もいるようです。

⑤ 通信費
- 格安SIM:月$20(十分足りる)
- 自宅のインターネット(NBN持ちで契約):月$75
リモートワークでネットを使う人は、Telstraなど大手キャリアの強い回線を選ぶことが多く、その場合は月$250くらいかかることもあります。
⑥ 外食・娯楽費
正直、外食は高いです。うちは週2〜3回は外食かテイクアウェイをしています。
- テイクアウェイ:1人$20〜30
- レストラン外食:1人$40〜60+ドリンク代(ビール1杯$12〜15)
- 記念日などのファインダイニング:1人$200〜300で予算を組む
カフェも、コーヒー1杯(Mサイズ)で$6.5(2026年9月時点)と、メルボルンより少し高い印象。ブレックファースト(コーヒー+1プレート)で$25〜35くらいします。都会に比べて競合店が少ないぶん、どのお店も強気の価格設定になっている気がします。

外食、思ったより高いんだね。

都会と違って選択肢が少ないから、価格競争が起きにくいんだと思う。
意外と安いのは「娯楽費」
都会のように頻繁にイベントがあるわけではないので、実はお金のかかる娯楽はあまりありません。週末はキャンプやビーチ、川に出かけることが多く、友達との集まりも自宅でBBQというパターンが定番です。外食は高いですが、娯楽費全体で見ると、都会にいたころより支出は少ない気がしています。
Uber・タクシーは都会より高くて、つかまらない
唯一「都会より高い」と断言できるのがUberです。まずドライバーの数が少ないので、そもそも捕まりにくい。金曜の夜は1時間待ちもザラで、早朝・深夜はほぼ捕まりません。タクシーも台数が少なく、混んでいる時間帯の料金は空いている時間の2倍以上になることもあります。

娯楽費は逆に節約になってるんだね。

そう。でもUberだけは都会より不便で高いから、車は持っておいた方がいいよ。
まとめ
タウンズビルのようなRegional都市は、家賃は都市部よりだいぶ抑えられる一方で、車・電気代・外食は決して安くありません。特に夏場の電気代と、選択肢の少なさゆえの外食価格の高さは、住んでみて初めて分かったギャップでした。一方で娯楽費は、キャンプやビーチ、自宅BBQ中心の過ごし方のおかげで、都会にいたころより支出が少ないのは意外な発見でした(Uberだけは別ですが)。
それでも、メルボルンにいた頃と比べると、車移動が前提の広々とした暮らしができるのは大きなメリットです。何より、私たちにとってタウンズビルはS491ビザという目的のための移住先でした。「地方に住めば生活費が安い」と単純には言えませんが、Regionalエリアだからこそ開けるビザの選択肢があるのも事実です。
生活費だけ見れば、都市部の方が安く済む項目もあります。でも私たちにとって、地方に住むという選択肢自体がビザ戦略の一部でした。金額だけでなく、そういう理由も含めて「地方移住」を考えてみてほしいです。

