RPLでシェフ資格を取った話($6,000払って分かったこと)

厨房で指導する様子 ワーホリ

以前、ビザ費用の記事で「RPLでシェフの資格を$6,000払って取った」とチラッと書きました。今回はその中身を、ちゃんと書いてみます。

もじゃ
もじゃ

RPLって何? 学校に行き直したの?

Gecko
Gecko

ううん、学校に通い直したわけじゃないよ。まずはRPLって何なのか説明するね。

RPLって何?

RPL(Recognition of Prior Learning)は、これまでの実務経験を審査してもらい、それに見合う正式な資格(Certificate)を認定してもらう制度です。学校に一から通い直さなくても、すでに現場で身につけているスキルを「証明書」の形にできるのがポイント。ただし、経験が足りない分野があれば、その部分だけ授業を受けて埋める必要があります(これは後で説明します)。

私が今回取得したのは Certificate III in Commercial Cookery(商業調理のサティフィケート)です。

きっかけ:ヘッドシェフからの提案

タウンズビルに来て最初に働いたお店で、ヘッドシェフから「Certificateが無いと給料を上げられない」と言われたのがきっかけです。お店の給与体系が資格ベースで決まっていて、「仕事はできてるのに資格が無いせいで給料が上がらないのはもったいない」と、RPLを強く勧められました。

申請の流れ

申請先はTAFE(公立の専門学校)。流れはこんな感じでした。

  1. まずSelf Approval(自己評価)のチェックリストで確認
  2. 当時のヘッドシェフに Third Party Checklist(第三者評価)を書いてもらい、私にどれくらいの技術があるかを証明
  3. それが通ると、次は知識量を確認するための書類。分野ごとに分かれていて、すべて回答するとA4で60ページほどのボリュームに
  4. TAFEの担当者に提出し、RPLとして認定できるかどうかを判断してもらう
  5. ボスへの直接電話でのヒアリングも実施
  6. 審査の結果、経験が足りない「Gap Unit(不足単位)」が判明。私の場合はペイストリー・ベーカリー・コスト計算の経験が無かったので、そこはTAFEで授業を受けることに

合わせて、ファーストエイドや基本的なFood Safety系のユニットも受講が必要でした。最終的に私が受けたユニットは以下の8つです。

  • Provide first aid
  • Prepare food to meet special dietary requirements
  • Produce cakes, pastries and breads
  • Work effectively as a cook
  • Plan and cost basic menus
  • Produce desserts
  • Use hygienic practices for food safety
  • Participate in safe food handling practices
書類にサインする様子
もじゃ
もじゃ

A4 60ページ!? そんなに書くことあるの?

Gecko
Gecko

分野ごとに知識を細かく問われるから、想像以上のボリュームだったよ。

費用:合計約6,000ドル(2021年当時)

私はTAFE経由での申請だったので、RPLそのものの申請料はかかりませんでした。その代わり、Gap Unitとして受けたユニットの分だけ、単位ごとに授業料を支払う形です。ユニットによって金額は異なり、合計すると約$6,000になりました。

これはインターナショナルスチューデント(留学生)の料金なので、既にPRを持っている人は格段に安くなるかFREEになるかもしれません。シェフだけでなくいろいろな職種があるので自分の技術がRPLで認可されるかチェックしてみるといいかもしれません。

また、この費用は、タックスリターン(確定申告)で仕事に関連する経費として申請できるので、実質的な負担はもう少し下がります。ただし還付額は家族構成や年収によって変わるので、一概に「いくら戻ってくる」とは言えません。

かかった期間

問い合わせてから結果が出て、受けるべきユニットが決まるまでに約2か月。そこからは、TAFEの授業に途中参加する形になります。私の場合は必要なユニットがちょうどいいタイミングで始まったので、週2〜3日通って合計3か月でGap Unitを終えることができました。

膨大な知識チェックの書類には期限はありませんでしたが、私は一週間で仕上げました。後回しにしてだらだらやっていたら、もっと時間がかかったと思います。

ただしこれはタイミング次第で、必要なユニットの開講時期によっては1年近く待つ人もいるようです。

彩り野菜を切るシェフの手元

資格を取って変わったこと

資格取得後、まず給料を上げてもらえました。それだけでなく、その後の転職活動にも大きく影響しました。以前はレジュメにCertificateの記載が無いことで書類選考の時点で落とされることが多かったのですが、資格取得後は書類で落ちることがなくなりました。以前は面接にたどり着くまでが大変でしたが、今はスムーズに面接まで進めるようになっています。

やはりシェフとしての資格なので、他のユニットを受けたことで知識の幅が広がり、実務にもいい影響がありました。また学校に通ったことで、クラスメートと仲良くなれたのも収穫で、人脈も広がりました。

まとめ

ここまで書いてきましたが、RPLで必要になるGap Unitの数や期間、費用は、本当に個人の経歴によって変わります。私の場合は5年以上の実務経験があったうえでこの内容だったので、経験が浅い人はもっと多くのユニットが必要になるかもしれませんし、逆に少なく済む人もいると思います。数字はあくまで私のケースとして、参考程度に見てもらえたらと思います。

$6,000は安くない出費でしたが、給料アップと転職のしやすさを考えると、私にとっては払う価値がありました。「経験はあるのに資格が無い」で足踏みしている人には、検討する価値のある制度だと思います。

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